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「キレイライフのためのマネー塾」 (風呂内 亜矢)
   第20回 1%より低い金利だと繰上げ返済しない方がよい?


 平成29年12月までに、ローンを使って自宅を購入する人は年末のローン残高の1%が所得税や住民税から減税される「住宅ローン減税」を10年間、受けることができます。現在、住宅ローン金利は1%を下回るものもあるため、1年間で支払う利息よりも減税される効果の方が大きいケースも出てきます。こうした場合、繰上げ返済はいつ行うのがよいのでしょうか。

<実は早期繰上げ返済の方が有利な場合も>

 4000万円の住宅ローンを金利0.9%、35年間元利均等返済で借返済している例で考えてみます。返済開始3年後に300万円のゆとり資金ができたとき、すぐ繰上げ返済するのと、住宅ローン減税が終了する7年後に繰上げ返済するのとでは、どう違うでしょうか。 

 返済開始3年後のタイミングですぐ300万円の繰上げ返済(期間短縮)を行うと利息は約91万円軽減できます。住宅ローン減税については残りの7年間、300万円分の1%の減税を受けられなくなることから約21万円損するといえます。約91万円の利息を軽減できて約21万円の減税を失うわけですから、結局は約70万円の得になりますね。

住宅ローン減税が終わる7年後(返済開始から10年後)に同じ300万円を繰上げ返済した場合の利息軽減額は約68万円。3年目の繰上げ返済よりも23万円(91万円-68万円)、利息を軽減できないことになります。7年間で21万円多く住宅ローン減税を受けたとしても、やはり3年目に繰上げ返済をしていた方が得だったという結果になります。

 

<金利変動の可能性も含めた判断を>

 住宅ローンは当初、利息比率が高く、徐々に低くなるため、返済開始から間もない時期の繰上げ返済の方が一般的に利息軽減効果も高くなります。また、住宅ローン減税は年末ローン残高に対する減税であるため年始から年末にかけて返済が進んだ元金に対する利息を減税では回収しきれないケースもあります。そのため、1%未満で融資を受けている場合であっても住宅ローン減税より繰上げ返済を優先した方が有利なケースもあります。

 また、1%よりもはるかに低い金利は変動タイプのものが多いため、金利が上がった場合には今回のシミュレーションよりもさらに早期の繰上げ返済の方が得だったという結果になる可能性も残ります。

 よりよい繰上げ返済の時期を見極めるために減税額と金利軽減額を比較するシミュレーションをしてみることは確かに有効です。そのときに実際の金利や返済予定時期・金額で計算してみること、金利変動の可能性についても考慮に加えると、より後悔の少ない判断ができます。



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風呂内 亜矢(ふろうち あや)

ファイナンシャルプランナー、マンションオーナー
 
  <プロフィール>

風呂内 亜矢(ふろうち あや)
ファイナンシャルプランナー。
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、
宅地建物取引主任者。

1978年生まれ。岡山出身。
IT企業に勤めていた26歳のとき、
貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、
物件価格以外にも費用がかかることを知り、
あわててお金の勉強と貯金を始める。
現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、
賃料収入を得ている。
テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」
を精力的に発信している。

公式ツイッター:@furouchiaya

公式HP:http://www.furouchi.com/


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