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スリランカの自然と野生生物

最後の強いオレンジを放ち太陽が地平線に沈むと、のそりと巨大な影が現れる。
影はいつしか群れをなし、一頭、また一頭と静かにたたずむ夕暮れ色の湖にその身を浸す。

乾季も終わりに近づき、周辺の水が干上がって久しい9月の頃、ミンネリヤ・タンク(Minneriya Tank)は大小の象達で溢れます。毎年この頃になると、決して乾かない湖水と周辺に茂る若草を求めて、国のあちこちから300頭を越える象達が集まるのです。この優しく巨大なる生物が水辺に踊り、食み、そして恋する姿は、美しく雄大な光景です。小さな島国であるスリランカの、ほぼ中央で起こるこの現象。象達にしか分からない秘密でもあるのでしょうか。

■スリランカを代表する動物たち

巨大なる象に次いで有名なのが、美しくも残忍なる狩人、ヒョウです。これ程間近にヒョウ達の生態を観察できる国は、他にはないでしょう。なぜならスリランカのジャングルでは、ヒョウ達大型ネコ科の動物が生態系の頂点に君臨するからです。しなやかな野生の身体、そして優雅な身のこなしの彼らに出会うのなら、南東海岸に位置するヤーラ国立公園(Yala National Park)がお勧めです。
長い毛が特長のナマケグマは、ワスガムワ国立公園(Wasgamuwa National Park)で見ることができるでしょう。果実の甘い香りに誘われて、鋭く尖る爪で巧みに木に登る姿は、思わずカメラを取り出したくなる光景です。

■生命の楽園

スリランカの大自然には、目が眩むほど多様な動植物が暮らしています。ウサギほどの小さなマメジカから、立派な角を蓄えた大柄のサンバーまで、鹿だけでも5種類が生息しています。ホートン・プレインズ(Horton Plains)周辺では夕暮れ時、静かに草を食むサンバーの群れを見ることができるでしょう。

スリランカのジャングルは、猿達の王国です。国内に広く生息するトクモンキーは、いたずら好きで愛嬌ある典型的な猿です。今日も、千年の歴史を刻むポロンナルワ(Polonnaruwa)の古代遺跡に、子猿達が無邪気に遊んでいます。ハヌマンラングールは、インドの叙事詩に登場する、猿神ハヌマンに繋がる誇り高き種族と言われています。しかしながら、少し内股気味に歩く姿は親しみを覚えずにはいられません。

早朝にこだまする低い鳴声は、熊を思わせる大柄のベアーモンキーです。一方、熱帯の闇を突き刺す甲高い声を上げるのは、国内最小の猿、ロリスです。潤んだ丸い目がとても愛らしい猿ですが、夜の闇では俊敏なハンターに変貌し、木々の間を活発に動き回ります。恐ろしい鳴声といえば、現地の人々がウラマ(悪魔の鳥)と呼ぶネパールワシミミズクでしょう。しかしながら、国内に生息するミミズクの中で最も大柄で貴重な種なのです。

スリランカには、渡り鳥も含め482種の野鳥が生息しています。大陸から隔離された島国であるため、独自の発達を遂げる種が多く、現在26種の固有種が確認されています。

スリランカは、鳥達の楽園です。雄孔雀が艶めく青藍色の尾羽を広げ雌達を誘い、シロハラウミワシが稚魚を狙い輝く水面へ急降下する。真っ青な空に一瞬はためく薄絹を見たかと思えば、ひらひらと長い尾羽を持つスリランカサンコウチョウ。今日も、世界からバードウォッチャーや鳥類学者がスリランカを訪れます。

大木にほんの小さな穴を見つけたら、そこにはサイチョウの巣があるしるしです。雄はつがいの雌が巣に篭ると、餌を差し込むのに充分なだけの小さな穴を残し、巣を閉ざしてしまうのです。

そして、スリランカの真っ青な空を鮮やかな緑で彩るのは賑やかなインコ達です。この他、シンハラージャ森林保護区(Sinharaja Forest Reserve)や湿地の森林では、愛らしい鳥たちが木々の間で歌を奏でています。

スリランカには、身近な環境にも誠に多様な生物が暮らしています。一目で魅了される美しい彩りの蝶や、透きとおる羽で青空を滑るトンボ、そして朝露が光る巣の中央で、宝石のようにきらきらと輝く鮮やかな蜘蛛。驚くほど豊かな自然が生きています。

スリランカではいつもよりもゆっくりと歩いてみてください。そこかしかに、鮮やかで力強い生命を見ることができるでしょう。

■固有種および保護動植物

スリランカではどこを見ても虹色の鳥が生息しているように感じられます。その数は渡りの時期である8月から4月にかけてチドリやイソシギなど国外からやってくる渉禽類によって一時的に増加します。絶滅危惧種のスリランカ青カササギ、スリランカトウチョウを含む26種ほどの固有種がスリランカのタペストリーのような空に豊かな風合いを加えます。 

「ウスベニモンシロチョウ」、「セイロンローズ」など、多くの繊細な模様を持つ蝶や、「マラバースプライト」、「アジアンタイガー」などロマンチックなニックネームを持つトンボが舞い、熱帯の楽園を思い起こさせます。スリランカで登録されている118種のトンボの内、52種が固有種となっています。 

スリランカカエルも同様に国際的な「カエル研究家」にとって興味深い種です。世界自然保護基金(WWF)- スリランカ野生生物遺産トラスト(WHT) が行った調査では、これまでに見られた事の無いカエルが発見されました。スリランカのカエルは250種を下る事は無く、世界のカエルの7%を占めています。 

また、その他にも多くの小型哺乳類が野生に生息しています。目の飛び出た夜行性動物「ホソロリス」、「スリランカクロエリウサギ」、「インドスナドリネコ」、「スリランカジャングルキャット」、そして「スリランカサビイロネコ」や、92センチもの長さのある「インドタテガミヤマアラシ」などです。慎重にスリランカの自然に踏み込むと、これらの珍しい動物を一目見ることが可能です。

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